アロエの食べ方・飲み方など利用法は

世界には何百種類ものアロエが存在しますが、その中でも実際に利用されているものが次のアロエです。

苦み成分だけが医薬品に使われる南アフリカのケープアロエ、ジュースや化粧品に使われるアメリカのアロエベラ、日本で食品や化粧品に使われるキダチアロエ。この3種類が実用的なアロエと言ってもよいでしょう。

ここではアロエベラやキダチアロエがどのように利用されているかを紹介します。

アロエベラは苦みの成分を摂り除いて果肉を利用

アロエベラは肉厚の大きな葉が特長的なアロエです。

主にアメリカ、メキシコ、東南アジア等で栽培され、日本に輸入されたアロエベラは主にジュースや化粧品として利用されます。

また、ヨーグルトに入っている「果肉」はシロップ漬けで輸入されることが多く、冷蔵商品として販売されています。

アロエベラにも葉と果肉の間に苦みの成分がありますが、薬局方の関係で苦味成分「アロイン」を取り除かなければ使用できないため、アロエベラが「苦くないアロエ」と呼ばれ、中身の果肉だけが食品や化粧品に利用されます。

国内でも一部の地域でアロエベラは栽培されており、併設のレストランなどでアロエベラを使った料理を食すこともできるようですが、いずれも使われるのは中の果肉の部分です。

アロエベラの生葉が販売されていることもありますが、直接食べるためには調理や保管が面倒ですので、加工されたジュースや粉末、果肉入りのヨーグルトを利用するのが手軽で一般的です。

キダチアロエは全葉が利用できるため苦み成分の効果を実感できる

キダチアロエは日本特産で、アロエベラに比べると小型種です。今のところアロエベラのような薬局方による制約がないため、食品や化粧品として全葉を利用することができます。

国内では、全葉を絞ったエキス飲料や乾燥した粉末、打錠品のサプリメントなどが利用されていますし、エキス配合のキャンディーやゼリー、粉末配合のクッキーやウエハース等も市販されています。

キダチアロエ生葉の利用法

昔から民間薬的に親しまれてきた「キダチアロエ」は、国内の温暖な地域では、多くの家庭の庭先で見ることができます。

生葉を利用する場合は、1日15gを標準にします。これはキダチアロエに含まれている「アロイン」という苦味成分の瀉下作用を考えての量です。

便通改善が目的の方は標準量の2倍くらいを目安に適量を見つけて利用しましょう。適量以上に多く摂り過ぎると下痢をします。

下痢しやすい方や胃・十二指腸潰瘍の改善目的で使う場合は、アロエベラのように皮をはぎ取り、葉肉部分だけを利用することをおすすめします。

また生葉利用でおすすめなのが、とげを落としたキダチアロエとリンゴ、少しの水をミキサーにかけたジュースです。

甘さが足りなければハチミツを入れるとおいしくなります。

生葉で摂ることの利点は、アロエに含まれる酵素をそのまま摂ることができることです。(※酵素は加熱することでなくなります)

ただしキダチアロエ自体は暖かい地域の植物のため、身体を冷やす性質があります。

加工することでこの性質はなくなりますから、冷え性の方には生葉よりも粒状品や粉末、エキス(液)など、キダチアロエの加工品がおすすめです。

キダチアロエの乾燥葉はお茶やアロエ酒に

【お茶として】細かく刻んだキダチアロエを乾燥し、緑茶やウーロン茶等と混ぜて、お茶として飲むことができます。苦味がありますので、茶葉全体の1割くらいをキダチアロエ乾燥葉の配合割合にしてご利用ください。

【内用アロエ酒】アロエ酒は、梅酒用の広口容器に35度のホワイトリカー1.8リットルを入れ、約1kgの生葉から作った約40gの乾燥葉と、氷砂糖300g~500gを入れ密封します。

アロエの成分は一週間位で溶け出しますので、氷砂糖が溶ければ飲み始めることができます。また葉を長く入れておくとせっかく溶出した成分が葉に戻ることがありますので、一ヶ月くらいで除去しましょう。

アロエ酒は半年ぐらい寝かせてから飲んだ方がおいしいです。

【外用アロエ酒】アロエ酒でも痛い所やコリのある箇所につける「外用」として作る場合は、乾燥葉の量を2倍の80gにし、氷砂糖は入れません。こちらはアロエの成分が溶出した1~2週間後ぐらいから使用することができます。

キダチアロエの成分分子は非常に小さいので、肌に塗って5分以内に浸透すると言われています。

痛い所に塗ったり、ガーゼなどに湿らせてシップをしたり、少し取り出して水やグルセリンと混ぜてオリジナル化粧水を作ったりと、用途が広いので作り置きしておくと便利です。

使いやすい粉末や粒状などの加工品

キダチアロエの利用法でいちばん多いのは、粉末や粒状品です。粉末は水やお茶でそのまま飲むほか、ジュースやミルク、ヨーグルト、料理に入れて好みの味にして利用できます。

またキダチアロエには殺菌作用があるため、風邪予防のために水や白湯に溶いたものでうがいをする人もいます。

粒状品は苦味を気にせず、簡単に利用できるので人気があります。旅行など外出時の携帯にも便利です。

キダチアロエは1日何回、いつ飲めばよいですか

健康の維持・増進が目的の場合は、標準量を1日1回飲めばよいと思います。しかし、胃炎や胃潰瘍の改善が目的の場合は、胃壁に付着させる回数を増やすために、2~3回に分けたほうがよいでしょう。

空腹時に飲み、食事までに30分以上あれば胃壁にくっつき、炎症の改善や修復に効果的です。

一方、胃酸過多や逆流性食道炎のある方は、空腹時に飲むと胃壁に強い刺激を与えてしまい、必要以上に胃酸を分泌させてしまうこともありますから、胃の中に物がある食後すぐに飲むことをおすすめします。

便通改善が目的の場合は、飲む回数や時間帯より飲む量が重要です。一般的に便秘の方は標準量の2~4倍、頑固な便秘の方は10倍ぐらいまでの間で摂取していただきます。

ただし便秘改善のための摂取量は個人差が大きいので、自然な排便ができる自分自身の適量を見つけて愛用してください。

逆に下痢症の方はアロエに含まれるタンニンが改善の方向で働きますので、標準量の2分の1~3分の1をしばらく続けてみてください。

まとめ

何百種類もあるアロエの中で、一般的によく使われているアロエベラとキダチアロエについて説明してみました。

アロエベラは薬局方の関係で苦み成分を取り除いた果肉だけが食品や化粧品に利用されており、キダチアロエは薬局方の制約がないため全葉を食品や化粧品に利用できることをおわかりいただけましたか。

また、キダチアロエの生葉は身体を冷やすので、冷えが気になる方には粉末や粒状品などの加工品がおすすめです。

飲む回数や量、時間帯も利用の目的により変わってきますので、より効果を上げるために参考にしてください。

昔から民間薬的に利用されてきた「アロエ」は副作用がなく、予防薬としても役立つ優れた薬草です。ぜひ健康の維持・増進にご利用ください。