「なぜこんなに肩がこるんだろう? この辛い肩こりをどうにかしたい」と思っている人は多いはず。
厚生労働省の国民生活調査「日常生活で不調を感じること」という質問に対する回答で、女性の1位、男性の2位が「肩こり」なのです。
それだけ多くの人が肩こりを経験し、不調を感じ、何とかしたいと思っていることがわかります。
ここではなぜ肩こりが起きるのか、その原因や改善策をご紹介します。
肩こりとは、首から肩、背中にかけての筋肉が緊張し血流が悪くなることで、こわばり、だるさや疲労感、痛みなどを感じることです。
頭痛やめまい、しびれ、吐き気なども肩こりが原因で起きることがあります。
私たちの頭の重さは5~6㎏あり、頭が大きいわりには首から肩の骨格が華奢にできているため、肩への負担が大きくなります。
さらに私たちの腕は肩関節の周囲にある僧帽筋や肩甲挙筋など複数の筋肉に吊り上げられており、肩には常に大きな負担がかかっています。
日本人は欧米人に比べて筋肉量が少ないため、より首や肩がこりやすいと言われています。
肩こりは日常生活の悪い習慣が原因で起こることがほとんどですが、中には頚椎症や内臓疾患が隠れていることもあるので注意が必要です。
日常の生活習慣で肩こりの原因となるのは次のようなもので、「肩こりの4大原因」と呼ばれています。
肩こりのトップに挙げられるのが「悪い姿勢」です。
最近はパソコンやスマホの操作をする人が多く、どうしても前かがみの姿勢になりがちです。
この姿勢が続くことで、頭蓋骨と首をつないでいる後頭下筋群がこり固まって首の動きを悪くし、肩こりを引き起こします。
またデスクワークで長時間同じ姿勢をとり続けると、疲労物質や老廃物がたまり、コリやこわばりが起こります。
パソコンやスマホで長時間細かい字を見続けると、光源を見つめている状態となるため、目や周囲の筋肉が緊張し、疲労感や不快感が脳に伝わり、ストレス反応を起こします。
ストレス反応が首や肩、背中の筋肉をこわばらせて肩こりを引き起こします。
精神的なストレスも意外に肩こりの原因となります。
ストレスは自律神経の働きを乱し、交感神経を優位にするため、血管が収縮して血流が悪くなります。
結果、疲労物質や老廃物がたまり肩こりを感じるようになるのです。
運動不足や加齢で筋肉量が減ると、少ない筋肉で身体を支えることになるため、緊張状態が続き血行不良を起こしやすくなります。
運動は筋肉量を増やし、筋肉を柔軟にします。血流も改善されるので、普段から運動を続けることは、肩こりが起こりにくい身体を作る事にもなります。
運動としては身体に負荷をかけるハードなものではなく、筋肉を動かす事に意味があるので、散歩やウォーキングなどの軽い運動や、屈伸運動などを、無理のない範囲で継続して行うことが大切です。
作業の合間に手を上に挙げて大きく伸びをしたり、首や肩をゆっくり回して筋肉の緊張をほぐしましょう。
1時間に一度は立ち上がり、軽いスクワットなどで、全身の血流を促すことも大切です。
適度な運動はストレス解消にもつながります。
目を酷使していると感じたら1~2分間は目を閉じて休ませます。
仕事中で目を閉じることができなければ、遠くを眺めて目の緊張をほぐしましょう。
目が乾燥している時は目薬をさすのもいいでしょう。
夜はシャワーだけで済ますのではなく、湯船に浸かる事で血流がよくなり、肩こりの予防・改善になります。
38~40度くらいのぬるめのお湯にゆっくり浸かると効果的です。
質の良い睡眠も交感神経を落ち着かせ、血管の収縮を防ぎます。
患部を蒸しタオルや使い捨てカイロのようなもので温めると、患部の血行を高め、筋肉の緊張を緩めてコリを改善します。
前述のぬるめのお風呂にゆっくり浸かるのも身体を温め、コリからくる痛みを緩和します。
肩がこって痛みがあるからと言って、動かさないでいると余計に悪化させてしまいます。
次のような簡単なストレッチでコリをほぐしましょう。気持ちよくなるぐらいの強さが一番です。
・背筋を伸ばして肩をすぼめるように上げて一気に下ろす。
・肩の力を抜いて首をゆっくり一周回す。
・首を前後左右に曲げて数秒キープし、ゆっくり戻す。
・背中の肩甲骨を左右くっつけるようなイメージで胸を開く。
・肩甲骨を拡げるイメージで背中の筋肉を伸ばす。
肩こりになる人には、肩こりを起こしやすい生活習慣があります。
一番多いのは姿勢の悪さからくる肩こり。パソコンやスマホを使うとき、どんな姿勢で操作をしているかを客観的に見つめてみましょう。猫背や前かがみになっていませんか?
体はすべてが繋がっているので、同じ姿勢で長時間過ごしたり、目を酷使すると、首や肩の筋肉もこってくるという悪循環に陥ります。
日頃からデスクワークで同じ姿勢をずっと続けている人や姿勢の悪い人は、意識して身体を動かし、血行を良くして筋肉が硬くならないように努めましょう。
ストレスも肩こりの原因になりますから、趣味や運動、ゆったりお風呂に浸かるなどして気分転換を図りましょう。
キダチアロエには血流を改善する作用があるので、肩こり対策の一つとしてとり入れてみてはいかがでしょうか。外用のアロエ酒を作り置きし、患部に塗ったりシップすると効果的です。
骨や関節などの異常に加えて、低血圧や高血圧、貧血、胃潰瘍、脳梗塞、狭心症など内臓疾患があっても肩こりが起きることがあります。
なかなか肩こりが治らないという人は、お医者様の力を借りてその原因を調べてみることをおすすめします。