便秘が原因で体重増加⁉

「便秘のせいで最近体重が増えてきた」と嘆く声がよく聞かれます。

便秘症の方の中には、体重増加を便秘のせいだと思っている方が多いのではないでしょうか。今回は便秘が本当に体重増加につながるのかを調べてみました。

便秘と体重増加の関係

便秘と体重増加には直接的な関係はないと言われます。

ひとりが排出する1日の便の重さは、健康な人で150~250g(バナナ1.5~2本分)ぐらいです。そして便の80%が水分で、残りの20%が食べ物の残りかすや、代謝によって剥がれ落ちた胃や腸の粘膜、腸内細菌の死骸です。

そこで平均的な1日の食事量から、便に含まれる食べ物の残りかすの量を換算してみると、わずか10~16g程度。これが便秘で排出されずに体内に留まり体重が増えるとしたら、体重1㎏増加のためには60日から100日も便が出ないという計算になります。

これだけ長期間、便が出ない人はいないでしょうし、その前に薬や病院のお世話になっているはず。そのうえ増えても1㎏です。朝と晩でも1㎏ぐらいの体重の変化がある人はいるので、便秘が体重増加の直接的な原因とは考えにくいのです。

直接的ではないが便秘は太る原因の一つ!

前述のように便秘は直接的には体重増加につながりません。しかし便秘が原因で太ることは考えられます。それが次のような理由です。

便秘で腸内に老廃物がたまったままだと、それがエサとなり悪玉菌が増殖します。そして硫化水素やアンモニア、発がん物質などの有害物質が発生し、血液の中に流れ込んで全身を巡ります。

こうした汚れた質の悪い血液は、皮下脂肪や内臓脂肪に蓄積しやすいため、太りやすくなります。

また、便が腸内に溜まっていると胃腸の働きが鈍くなり、通常より消化吸収に時間がかかるようになります。

消化吸収に時間がかかると、多くの栄養素を身体に取り込めるというメリットがある反面、必要以上に栄養素を吸収してしまい、カロリーオーバーになるというデメリットもあります。

また血液循環が悪くなり毒素が細胞に蓄積すると、代謝が落ちるため消費するカロリーが減り、結果的に太りやすくなります。

そのうえ代謝が悪いと余分な水分が排出されないので顔や手足にむくみが現れ、一時的に体重が増加したり、便やガスが腸内に滞ることで、ポッコリお腹やくびれがなくなり、太って見えることもあります。

そもそも便秘とはどんな状態のこと

医学的には「本来は体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」と定義されています。

また日本内科学会では「3日以上排便がない状態」または「排便があっても残便感がある場合」と考えています。

しかし便秘の感じ方には個人差があり、2~3日出なくても不快感がない人もいれば、1日出ないだけでお腹が張って苦しいという人もいます。

さらに毎日出ているのに排便自体が大変だったり、1回に出る量が少なくて残便感があるという人もいます。

「3日」というのはあくまでも目安で、便が出なくて不快だったり、出てもすっきり感がなければ、それは「便秘」ということになります。

便秘を解消する基本的な方法は

水分をしっかり摂る

水分の摂取量が少ないと便が硬くなり、スムーズに移動できなくなるため便秘になりますから、水分補給は便の硬さを決めるうえでとても大切です。

とはいえ一度に大量の水を飲んでも、尿として排出されるだけで便秘は解消しません。飲むタイミングの一歩は「朝起き抜けにコップ一杯の水を一気に飲む」ことです。

食物繊維を摂る

食物繊維は「水溶性」と「不溶性」があり、いずれも消化・吸収されずに大腸に届き、便の量を増やして腸を刺激し排便を促します。さらに大腸にいる細菌で分解された後、善玉菌のえさになるため、善玉菌が増え腸内環境が良くなります。

水溶性食物繊維は主に果物や野菜に含まれる「ペクチン」や海藻のヌルヌル成分の「アルギン酸」、こんにゃくに含まれる「グルコマンナン」など。

水に溶けるとゼリー状になり、コレステロールやナトリウムを吸着して排出する働きがあります。特に消化されにくいものとして、でんぷん、デキストリン、オリゴ糖が挙げられます。

不溶性食物繊維は胃や腸で水分をたくさん吸収し、便の体積を増やします。ゴボウ、大豆、穀類などに含まれる「セルロース」が最も多く摂られている不溶性食物繊維で、有害物質を吸着して排出する働きがあります。

水溶性食物繊維の摂り過ぎはお腹が緩くなることがあり、不溶性食物繊維の摂り過ぎはお腹が張り、便秘を悪化させることがあるので注意が必要です。

乳酸菌飲料やヨーグルト、発酵食品を摂る

乳酸菌や発酵食品は善玉菌を増やし腸内環境を整えます。

適度な運動をする

身体を動かす事で腸が動いてきます。ハードな運動でなくウォーキングやスクワットなどの簡単にできるものでOKです。

排便の習慣をつける

毎日決まった時間にトイレに行くようにしましょう。ゆったりとトイレに座っていると便意が起きることがあります。

マッサージをする

おへそを中心に時計回りに大きく「の」を描く。

大腸の四隅は便が停滞しやすい場所。ここを掴んだり、離したりして揉みほぐします。

ウォシュレットを利用する

ウォシュレットのお湯で肛門を刺激すると便意が起きてくるという方がけっこう多いです。

便秘が治ったら体重が減った人の話

便秘と体重に直接的な関係がなくても、当社のお客様の中には「便秘が解消したことで痩せた」と報告してくれた方が何名かいます。

ただ、その方たちは2週間に1度、または1か月に1~2回しか排便がなかったという、かなり頑固な便秘に苦しんでいた方たちです。

その中の一人は、長期間便が出ないため、腸内に留まる間に便の水分は奪われ、カチカチ便になってしまい、排便自体が困難な状態になりました。出すときはトイレに長時間座り込み、時には大きな唸り声を上げるほど「産みの苦しみ」を味わったと言います。

しかし、キダチアロエの加工品(粉末)を使用することで、運よく便秘から脱することができ、なんと20㎏も体重が減り、血圧も正常値になったと喜んでいます。

他にも便秘がひどかった方たちの中には、便通が改善されたことで5~10㎏ぐらい体重が減少した方がいます。

もちろん便秘が解消されても、体重は変わらなかったという方も大勢いますが、便通が改善することで、気持ちや身体は明らかに軽くなったと話してくれました。

ちなみに、「毎日快便なのに全く痩せない」と嘆いている方。一度食生活を見直してみましょう。

食べる量が多ければ便の量は増えます。毎日結構な量の排便があっても痩せないのは、それ以上に食べ過ぎているからです。食べ過ぎていれば体脂肪は減りませんし、痩せません。

まとめ

便秘が直接的な原因で体重が増えることはまずありません。しかし便秘が原因で血液が汚れ、その汚れた血液は皮下脂肪や内臓脂肪に溜まりやすくなりますから、便秘は太る要因の一つとして挙げることができます。

また便秘のせいで毒素が細胞に溜まり代謝が落ちると、消費カロリーが減り太りやすい体質になったり、水分が排出されず、むくみで太って見えることもありますから、便秘しやすい方は改善するよう努力しましょう。