つらい頭痛の原因と対処法

誰しもが経験したことのある頭痛。最近は在宅ワークやデスクワークの増加により日常的に頭痛に悩む、「頭痛もち」の人が増えています。頭痛薬を飲んでその場をしのいでいるけど・・・何度も繰り返す頭痛に不安を覚えている人は多いのではないでしょうか。頭痛はありふれた病気ですが、意外と原因は知らない方が多いようです。よくある症状だからこそ原因を知って、自分なりの頭痛対策を日常生活に取り入れていただけたらと思います。どうぞお付き合いください。

頭痛の種類と原因

頭痛にはいくつかの種類があり、どのタイプなのかによって原因が異なります。そのため頭痛の症状を改善、予防するには、まずはどのタイプの頭痛なのかを知ることが重要です。頭痛には比較的軽い症状のものもあれば、別の大きな病気が隠れていることもあるので注意しましょう。頭痛の種類の見分け方、その対処法についてまとめました。 

重苦しい痛みの『緊張型頭痛』

緊張型頭痛の症状

緊張性頭痛は、頭痛の中で最も頻度が高い疾患です。頭を圧迫されたような痛みや、締め付けられるように感じる頭痛です。左右両方に生じることが多いです。頭の周囲だけでなく、首筋から肩、背中にかけて痛みを起こすこともあります。

緊張型頭痛の原因

原因は頭の横の筋肉や肩の筋肉が緊張することで血流が悪くなり、筋肉内に老廃物がたまることで周辺の神経が刺激されて痛みを感じていると考えられます。
デスクワークで同じ姿勢を長時間続けたり、パソコン画面を見続ける、合わない眼鏡をかけているなど、様々な目の疲れによって起こる事があります。その他にも、悩みや精神的なストレスから症状が出る方もいます。

ズキズキと脈打つような痛みの『片頭痛(偏頭痛)』

片頭痛の症状

片頭痛は、頭の片側または両側に、ズキズキと脈打つような痛みが起こるのが特徴です。何らかの要因で頭部の血管が拡張し、炎症が起こって痛みが引き起こされるといわれています。また、頭痛とともに吐き気や嘔吐、音に敏感になるなどの症状がでる人もいます。人によっては頭痛が起こる前に光がまぶしく感じる、吐き気を伴い、実際に吐いてしまうなどの症状が出ます。

片頭痛の原因

原因はまだはっきりと分かっていませんが、脳の血管が拡張し、周囲を刺激する事で発生した炎症物質がさらに血管を拡張し三叉神経を刺激したりして、痛みを感じていると考えられます。

寝不足、寝過ぎ、空腹、疲労、女性ホルモンの変動などが片頭痛と関係があるとされており、光や音などの強い刺激や、ストレスがなくなった時にも起こる可能性があります。

三叉神経の一部は脳の血管を取り巻くように通っているため、痛みがズキンズキンという脈を打つように感じられます。

強い痛みが続く『群発頭痛』

群発頭痛の症状

群発頭痛は1カ月くらいの間、毎日のようにほぼ決まった時間に、片方の目の奥が激しく痛みが起こります。一度落ち着いた後も1年に1~2回の周期で起こります。睡眠中、特に明け方に目の奥をえぐる様な激しい痛みが襲いかかってくることが多く、痛みのある側の目が真っ赤に充血したり、涙が出る、瞳孔が小さくなる、鼻水が出るなどの症状を伴うケースもあります。群発頭痛は20代後半〜40代くらいの、働き盛りの、しかも圧倒的に男性に多い頭痛です。

群発頭痛の原因

眠りについてから2時間ほどや明け方に起こる事が多く、これは「体内時計」の不調が影響しているのではないかと考えられています。発症時期にアルコールを摂取すると、必ずといっていいほど頭痛を誘発します。これは、アルコールによって血管の拡張が促されるのが原因ではないかといわれています。

緊張型頭痛の対処法

①長時間同じ姿勢を取らない

「緊張型頭痛」と呼ばれる頭痛を引き起こす原因の1つは、姿勢の悪さにあると言われています。デスクワークや運転をするときなどには長時間同じ姿勢をとりがちです。休憩のときには肩周囲や上半身のストレッチをして筋肉の凝りを防ぐようにしましょう。

②肩、首の血行を良くするためストレッチをする

首、肩のマッサージやツボ押しで、血行をよくし、筋肉の緊張をとれば痛みがやわらぎます。

首を左右に倒す

左手を頭にのせて、右肩の力を抜いて左側へゆっくりと首を倒します。反対側も同様に。左右とも5~10回程度ずつ行います。

両肩を上げてストンと落とす

両肩をキュッと上げて、ストンと落とします。力を入れすぎず、自然な状態で10~20回程度行います。

③リラックスする

緊張型頭痛は、緊張しやすい真面目で、神経質な人に多いのが特徴です。人間関係など、多少おおらかに、心にゆとりを持ってリラックスするようにしましょう。そして、ストレスの軽減を上手にしていくことが大切です。

痛む部分を「温める」

首や肩を冷やさないよう夏の冷房などで寒いと感じたら衣服を1枚羽織ったり、首にスカーフを巻いたりしましょう。こりの部分を蒸しタオルやホットパックなどで温めて血行を促進し緊張を緩和させましょう。緊張型頭痛は、じっとしていると痛みが出やすくなるので、適度な運動を行って、筋肉をほぐしましょう。

片頭痛の対処法

①規則正しく睡眠をとる

まずは睡眠の質を改善しましょう。睡眠の質が悪いと、寝不足はもちろん、十分な睡眠をとろうと寝すぎてしまう原因に。日中は日光を浴びる、適度な運動をする、睡眠前は入浴などで体を温める、寝る前にスマートフォンやパソコンは使わない、快適な寝具を使うなど、できることからはじめましょう。

②頭痛日と環境を記録する

痛みの程度や持続時間、日常生活への影響、薬の使用状況、吐き気といった頭痛に伴う症状のほか、月経、ストレス、寝不足や寝過ぎ、悪天候など、片頭痛を引き起こす要因と考えられる出来事を自ら記録します。記録していくと、しだいに片頭痛が起こるときの傾向が把握できるため、自分なりの予防策を立てやすくなります。

③頭痛の誘発食品を控える

『チラミン』という物質は血管を収縮させる作用があります。チラミンはタンパク質が分解されてできたもので、赤ワインやビール、チーズやヨーグルト、納豆、チョコレートなどの発酵食品や熟成した食品に多く含まれます。片頭痛が起きる前にいつも何か食べていないか思い起こしてみたり、好きな食べ物が『チラミン』を多く含んでいないかチェックしてみるとよいでしょう。

痛む場所を「冷やす」

片頭痛は血管が拡張することによって痛みが引き起こされますので、冷たいタオルや冷却シートのようなものを痛む部位にあてるなどして安静にしてください。

群発頭痛の対処法

発作の原因となる行動を避ける

群発頭痛は自律神経の関与が強いため、頭痛が起こっている間(群発期)は規則正しい生活を送ることが大切です。アルコールで群発頭痛が誘発されることも知られているため、群発期の飲酒は控えましょう。また、タバコを吸う人に多いことも群発頭痛の特徴です。激しい頭痛から解放されるためにも、禁煙に取り組みましょう。

群発頭痛はその激しさと特徴的な自律神経症状から、自己診断でも的中する確率が高い頭痛です。「もしかして、群発頭痛かも……」と思われたら、迷わず受診しましょう。

まとめ

頭痛の症状は個人差が大きいため、まずは自分の頭痛についてどんなときに、どのような痛みが起き、痛みはどれくらい続いたかなど、頭痛の様子を書きとめておくと、対策がとりやすくなります。たとえば片頭痛持ちだと思っていても、時々、緊張型の頭痛が起きていたり、ちょっとした生活習慣が頭痛のきっかけになっていたなんてこともあります。頭痛はストレスや疲労によって引き起こされることがあります。忙しい1日の終わりには、入浴やアロマテラピーなどでリラックスする時間をつくるなど、自分にあったストレス解消法を見つけ、頭痛を予防しましょう。