便秘解消で肌荒れも解消⁉

「肌にできた吹き出物がなかなか治らない。そういえばずっと便秘気味だけど、それが原因?」。そんなお悩みを持つ方も多いのではないでしょうか。

肌は「内臓の鏡」と昔からよく言われます。肌荒れだけでなく、加齢とともに女性を悩ませるシミやシワ等の皮膚老化も、紫外線や食生活のみならず、便秘が大きく関わっていると言われます。

便秘解消は健康だけでなく、美容においても重要な課題なのです。

ここでは便秘が肌に及ぼす影響や、その解決策を紹介します。ぜひ参考にしてください。

便秘による腸内環境の悪化で肌荒れが起きる

肌荒れの原因は腐敗物質による血液の汚れ

便秘になると大腸内に停滞している便が発酵して腐敗するため、本来なら体の外に排出されるべき腐敗物質が排出されずに、老廃物と一緒に腸から再吸収されて血液を汚し、全身を巡ります。

そして腐敗物質が汗や皮脂と一緒に体外に排出されるとき、それが刺激となって肌荒れや肌トラブルが起きると言われています。

シミも血液の汚れの現れであり、紫外線の影響をさらに大きくします。

とくに血液が酸性に傾くと、表皮の基底細胞層にあるメラノサイト(メラニン色素細胞)と、酸化酵素のチロシナーゼの働きが活発になり、メラニンが大量に作られるため、肌は黒ずみ、濃いシミとなって沈着してしまうのです。

腐敗物質により肌のターンオーバーが乱される

便秘により発生した腐敗物質は、肌の新陳代謝機能(ターンオーバー)を狂わせ、肌荒れが進みます。

肌は代謝機能により新しい細胞が生まれて肌表面へ成長し、古い細胞は皮膚から垢として剥がれ落ちます。

この代謝サイクルは通常約6週間といわれていますが、便秘が原因で代謝サイクルが遅れたり、細胞の分化に悪影響が出ると、肌荒れやニキビ、吹き出物などの肌トラブルが生じてしまうのです。

腸内環境を整え、排便体質を作る方法

❶朝起きがけに1杯の水を飲む

朝起きてすぐに常温の水を200mLほど飲むと、腸が刺激されて排便を促します。少しずつ飲むのではなく、一気に飲むのがコツ。胃に水が入るとその重さで大腸の上部が刺激され、蠕動運動を起こしやすくなります。

普通便の水分量は約70%。スムーズな排便に水分補給は欠かせません。

厚生労働省では、1日の水分摂取量を2.5リットル、食事から取り込む量を考慮し、純粋な水として1.2リットルの摂取を推奨しています。

便秘の場合も推奨量は変わりません。なぜなら、水をたくさん飲めば尿の量は増えますが、排便量が増えるわけではないことが研究からわかっているからです。

❷水は1日に何回かに分けてこまめに飲む

水分補給は1日に8回ぐらいに分けて行いましょう。水を大量に一気飲みしても、腎臓に負担をかけるだけで、先にも書いたように便には何の影響も及ぼさないからです。

1日に8回ぐらいというのはそれほど難しいことではありません。日常生活の中でそれほど意識しなくても、この回数は実現できるからです。

時間軸でいえば①起床時 ②朝食時 ③昼食時 ④夕食時 ⑤入浴前後 ⑥就寝前。これだけで6回です。あとは午前と午後の食間(10時頃と15時頃)に水分補給をすれば1日8回になります。

大蠕動を起こすために食後8時間は何も食べない

便通を改善するためには単なる蠕動運動でなく「大蠕動」を起こすことがとても重要だと言われます。

食べ物は、口から入り胃で3時間ぐらいかけて消化され、小腸でさらに5時間ぐらいかけて消化されて大腸に運ばれます。

約8時間をかけて胃と小腸が空になったときに「大蠕動」が起きると言われており、8時間以内に何か食べてしまうと大蠕動は起きないことがわかっています。

つまり、便秘にならないためには1日に1回、「食後8時間は何も食べない」という時間をつくることがとても大切なのです。

朝食後の「大蠕動タイム」を逃さない

便意を起こす大蠕動と呼ばれる収縮運動が最も起こりやすいのは、朝食の1時間後。夕食後から就寝時間を含めれば、②の「8時間何も食べないと大蠕動が起きる」ということが実現します。朝のこのタイミングを逃さないことが良いお通じにつながります。

「食物繊維の多い食物」を意識して摂る

食物繊維を多く摂ると便の量が増えて腸を刺激します。また食物繊維が善玉菌のエサになって便秘予防に役立ちますので、食物繊維の多い食品を積極的に摂りましょう。

食物繊維を多く含む食品として、バナナ、りんご、ほうれん草、ブロッコリーや豆類などが挙げられます。また善玉菌を含む飲料や発酵食品にも豊富に含まれています。

(注)頑固な便秘が続く場合、食物繊維の摂りすぎは腸内に未消化の内容物が増えて消化吸収の妨げになったり、腸内ガスがたまって悪循環に陥りやすくなることがあります。体調を見ながら食物繊維の摂取量をコントロールしてください。

胃腸への負担が一番少ない「炭水化物」から食べる

便秘の人は胃腸の働きが鈍っているため、消化が良く水分の多い炭水化物から食べるのが効果的です。次にたんぱく質、最後に食物繊維を摂ると、鈍っている胃腸の働きを促進します。

規則正しく、よく噛んで食べる

リズムよく排便するためには、規則正しい時間にしっかりした量の食事を摂ることが大事。そしてよく噛むことです。よく噛めば消化酵素であるアミラーゼなどを含む唾液が分泌されやすくなり、食べ物が細かくなることで消化器官での吸収がスムーズになります。

適度の運動をする

ウォーキングは血流を良くして腸の動きを良くします。1日5000歩ぐらいを目安に続けましょう。

また、腹筋が弱いために便を押し出す力が足りなくて便秘になるというケースもよくありますから、毎日続けられる簡単な運動で腹筋を鍛えましょう。

加齢と共に低下した機能は外からの手助けが必要

私たちの体は、加齢と共に内蔵機能の低下や新陳代謝が衰え、大腸の蠕動運動も弱くなり、“いきむ力”や“排泄の反射”も弱くなるため、高齢になるほど便秘になりやすくなります。

そのため、どうしても便秘に良いと言われる食品やサプリメント、下剤など、外からの手助けが必要になってきます。

昔から「医者いらず」と呼ばれ、多くの一般家庭の庭に植えられていたキダチアロエには、便通改善や胃腸を丈夫にする作用をはじめ、新陳代謝の促進、体内の毒素を排出し血液をキレイにするなど、古来より「民間薬」的に人々の健康を助けてきました。

自力で排便できないときは、自然物のキダチアロエを活用してみてはいかがでしょうか。

まとめ

便秘になると毒素が排泄されず、汚れた血液が全身を巡るため、体調不良だけでなく肌荒れやニキビ、吹き出物の原因になります。

便通の改善に最も効果的なのは「朝起きてすぐの一杯の水」。コップ一杯の常温の水を一気に飲み干すと、胃に入った水の重みで大腸の上部が刺激され、蠕動運動が起きて便意が起きるのです。

特に排便に重要なのは、単なる蠕動運動ではなく「大蠕動」で、朝に大蠕動を起こすためには朝食までの8時間は何も食べず、胃と小腸を空にすることです。この時間帯は就寝中でもあるので、

肌荒れをはじめとする肌トラブルが気になる方は、便秘を解消するのが先決です。